猫の皮下輸液、我が家でのやり方

猫の皮下輸液に必要なもの。

今日は、うちのジーナちゃんに自宅で行っている皮下輸液のやり方をご紹介します。

今は健康な猫を飼っている人も、もしかしたらいつか自分で愛猫に輸液をしなければいけない日が来るかもしれない…。

そんな日が来ないことが一番ですが、まぁ心の準備として読んでいただけたらと思います。

険しい顔のジーナ嬢。 うちの猫が末期の慢性腎不全と診断されたけど実はそうじゃなかった話

まず道具。必要なものはほとんど動物病院でもらえます。(病院によって違うところもあるかもだけど)

上の写真の右にある、ポンプがついた白いものは加圧バッグ。この中に輸液パックを入れて空気の圧力で液を押し出します。3000円くらいで購入できるそうですが、我が家では病院から無料で貸していただいてます。(ちょうど余ってるやつがあるから使っていいよ、と…)

加圧バッグの上に置いてるのが薬液の入った輸液パック。ソルラクトと書いてます。250mlを1回で全部使い切ります。

その横の注射器に入ってるのは細菌感染を予防するための抗生剤。輸液パックに注入します。

左下のビニールに入ってるのが輸液パックと針をつなぐチューブ。その横の緑色の羽みたいなのがついてるのが針。

左上の白い四角いやつは消毒用のアルコールに浸したカット綿。なくなったらその都度病院で用意してもらえます。

黄色いクリップは輸液中に針を被毛に固定するのに使います。

以上が病院でもらう輸液セットです。

自分で用意したのはカット綿の横にあるマグネットフックだけですね。これの使い道は後述します。

チラッと写っているのは、ニンゲンが何かしてるのを監視せずにはいられないマンの足です。

キャリーバッグに入れられたジーナちゃん。

それでは皮下輸液の準備を始めていきますよ〜。

…とその前にジーナちゃんをキャリーに入れておきます。

輸液の気配を悟られると、隠れてしまって捕獲するのが難しくなるからです。

それに、個人的にはキャリーに入っててくれたほうが輸液がやりやすいです。

上が全開できるタイプの小型キャリーがあると便利かと。

輸液の準備ができるまで猫はここで待機。

このままちょっと待っててね。

捕液パックをお湯に浸けて温めているところ。

まず熱湯を入れたバケツに輸液パックを浸けて、猫肌くらいに温めます。

(※我が家にはレンジがないのでこのような原始的なやり方をしています。)

均等に温まるようにときどきシャカシャカ振ります。

まだ監視マンがいる…。

チューブに針をセット。

チューブと針を袋から出してつないでおきます。

温まった輸液パックに抗生剤を注入し、チューブを差し込みます。

お風呂場に皮下輸液セットを取り付けたところ。

我が家ではお風呂場が皮下輸液会場になっています。

液が流れやすいよう高いところにマグネットフックをくっつけ、輸液パックをセットした加圧バッグを引っかけたら準備完了!

なんでお風呂場?っていうのは…

  • 他の猫に邪魔されず落ち着いてできる場所がここしかない
  • マグネットフックでやりやすい位置に輸液パックを吊るすことができる
  • アウェー感を出すことによって猫がおとなしくなる(ような気がする)
  • 万が一液をこぼしたりしても片付けがラク

…というのが理由です。

お風呂場のドアが近くにあると逃げようとするので、狭いけどバスタブの中でやってます。

マグネットフックはかなり強力なやつを使ってます。パックを吊るしても多少引っ張ってもびくともしない。

針を刺して皮下輸液中の猫。

そしていよいよ猫に針を刺します…。

刺す前にちょっとだけ液を流してチューブの中の空気を抜くのを忘れずに。

何回やっても自分の猫に針を刺すのはつらいし緊張するけど、ためらわずひと思いにブスッとやってしまうのがコツです。

肩甲骨の間あたりの皮膚を軽くつまんで持ち上げ、毛をかき分けながら刺す場所を決めて消毒し、針を横にして皮膚に沿わせるような感じで刺します。

血管に刺すわけじゃないので血は出ないし、あまり痛みもないのかジーナちゃんは針を刺しても怒ったり暴れたりとかはしません。たまに刺し方が下手だと一瞬「ピャッ!」て鳴くけど…。

ジーナちゃん、自宅で皮下輸液を始めた最初の頃はやっぱり少し怖がってソワソワしてたけど、今は消毒のアルコールのにおいを嗅がせるとおとなしく自分から「伏せ」の体勢になってくれるんです。

おかげでニンゲンひとりでも問題なくスムーズにできてます。

本当に良い子。

ニンゲンの手にスリスリ。

無事に針が刺せたら、針についてる羽を被毛といっしょにクリップで挟んで抜けないように固定し、チューブの栓を開いて液を流していきます。

そのままだとチョロチョロとしか出ないので、ポンプを押してバッグを膨らませ、圧力をかけて液の出る量を調節します。

液が体内に入り始めるとちょっとビクッとするけど、なでたり声をかけたりしてなだめつつ、液が全部入るのを待ちます。

輸液中に気をつけることはただひとつ、絶対に大きな音を出さないこと。

平気そうにしてるように見えても実はかなり敏感になっていて、ニンゲンの腹の虫がギュ〜って鳴った音にすらビックリしちゃうのです。

輸液が終わってくつろいでいる猫。

輸液はだいたい5分くらいで終わります。

前脚や背中のあたりに液が溜まってちょっとタプタプするけど大丈夫。ゆっくり時間をかけて体に吸収されていきます。

終わった直後は背中を気にして舐めたりするものの、しばらくすれば何事もなかったようにいつもの調子でニンゲンにスリスリしたりお気に入りのベッドで休んだりしております。

こんな感じで、ジーナちゃんは今は5日に1回くらいのペースで皮下輸液を行っています。

ちなみにこの輸液セット、川井家がお世話になっている病院では1回分1500円です。病院で輸液してた時は診察料もかかるので1回3000円払っていました。

費用が半分になったのはとても助かる…。

ジーナちゃんも病院でするより自宅のほうが断然気持ちがラクだと思います。

先生から「家でやってみる?」と言われた時は「素人の自分が猫に輸液なんてできるのか?しかも一人で…?」と不安しかなかったけど、実際やってみたら案外すんなりできたし、思い切ってやってみてよかったです。

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